2004/06/10
「つまらないメール」を脱却するために、「編集」プロセスに注目してみよう
数多くのお客様とおつきあいさせていただいていると、「発信したいメッセージをどのような形に落とし込んでやれば、読者と発行者双方にとって付加価値の高いものになるか」という仮説立案作業を繰り返して行うことになります。
その過程には、取得するデータを決定してそこから傾向を抽出したり、立案したコンセプトをデザインに落とし込んだりと、さまざまな作業があります。しかし最近、そうした作業の中でも、レバレッジすべき共通のポイントがあるのではないかと考えるようになりました。
それは、HTMLメールの「編集プロセス」の構築です。
もちろんメールの効果改善において、コンセプトの設計やコピーライティング、デザインなどは重要な要素です。しかし、それらは一度改善しても継続的な改善がなければすぐに陳腐化していってしまいます。そこで、それらの要素を生み出すための「編集プロセスを構築するのだ」という視点を持つことで、継続的に付加価値向上をすすめていくことが可能になるのではないかと考えています。
あなたの組織のメールでは、だれが誌面構成を行っていますか?
HTMLメールのデザイン作業時には、あらかじめ誌面構成のイメージを持っておくことが必要です。
どこにどんなコピーが配置されて、どこにどんな画像が配置されるのか。そしてそれらはどのようなメッセージを持ち、ビジュアルアイデンティティを持つのか。誌面構成のイメージをどのように持っておくのかという点で、最終的なデザインの質が大きく左右されます。
社内各部署から原稿や素材を収集して、文面の調整だけを行ってメールを配信する、という業務フローのなかでは、この誌面企画を行うことができません。
メディアの受容のされ方が、「文字←→読む」「ビジュアル←→見る」と大きく異なるため、単純に「文字情報を準備」→「視覚化(=デザイン)」というプロセスで視覚情報を構築しても、ビジュアルとしての価値は最適化されないのです。
紙媒体の「編集プロセス」から学ぶべきこと
そうした問題点の解消に役立つのが、紙媒体で培われてきた「編集プロセス」という視点です。特に、雑誌の編集作業等では週次の編集作業を行っている場合も多く、定期的に発行しているメールの制作プロセス改善時には参考になる点が数多くあります。
紙媒体の編集についての書籍を紐解くと、そこには
- 企画立案
- 誌面構成
- 素材管理
- 見出しとコピー
- 校正
など、HTMLメールの制作に必要なタスク、ノウハウ、TIPSが、数多く並べられています。
もちろんHTMLメールではこれに、コードの最適化、効果測定ツールの仕込み、配信インフラの管理、配信結果の確認などの特殊なタスクが加わってきますが、ビジュアルとしての価値を作りこむ部分の多くは、紙媒体のプロセスと共通しています。
メールにおいてはまだクリエイティブ制作の標準的なワークフローが確立されていないため、複数の人間でクリエイティブ作成を行おうとするとどうしても編集プロセスにおける権限が曖昧になってしまいがちです。
誰が誌面構成に責任を持ち、誰が進行管理に責任を持つのか。そうした、紙媒体制作の長い歴史の中で磨き上げられてきたプロセスを流用し、自組織のものとして確立することで、混乱しがちな現場に秩序をもたらし、メールクリエイティブの輝きを一段高いレベルへと磨き上げられるのではないでしょうか。
あなたのメールの「価値を生み出すプロセス」はどのようなものなのか?
今回は具体論ではなく、視点のお話をさせていただきました。
日々の業務を行っていると即効性のある手法に目を奪われがちですが、いちど立ち止まって「価値を生み出すプロセス」を検討してみることで、これまで得られなかった知見を得られるかもしれません。HTMLメールにおける価値はビジュアルであり、そのビジュアルの価値を最大化させるための考え方のヒントが、「編集プロセス」という考え方なのです。
いかに美しく、わかりやすく、消化しやすい情報を消費者のもとに届けることができるか。そして、そこでコミュニケーションを成立させることができるか。多くの組織にとって、この課題は大きなものとなってきています。
「ケーススタディ:制作・運用体制を考える」でもお話させていただいたように、特に大規模な組織の場合は、権限やプロセスを明確にすることの重要性が高くなってきます。
編集プロセスの確立によってビジュアルコミュニケーションの領域で一歩先んじることができるならば、あなたの組織はきっと多くの実りを得ることができるのではないでしょうか?
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- Posted by 2004年06月10日 18:55 |







