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ヤコブ・ニールセン氏、メールマーケティングのエッセンスを語る
ユーザービリティについての世界的権威、Jakob Nielsen氏が、電子メール・ニュースレターについて最新のレポートを出しています。示唆に富んだ内容と思いますし、私たちの最近の見解とも一致します。同レポートを引用させてもらいながら、一歩掘り下げて考えてみたいと思います。
要約:
情報価値が高く、便利で、タイムリーな電子ニュースレターは多くの場合、他のメディアより好まれる。しかし新しい調査では、その内たったの 11% しか、よく読まれていないことがわかった。そのため、レイアウトと流し読みに適した書き方が絶対不可欠だといえる。
From:Jakob Nielsen博士のAlertbox
「メールが閲覧される量」は有限であることを忘れてはいけない
時間や空間の枠が厳密に決まっているマス広告等と異なり、メールでは一見いくらでもメッセージを送れるように見えます。しかし、実はメールにおいても極めて厳しい制限があるのです。
見落とされがちですが、それは「ユーザーがメールを処理するのにかける時間」です。それは単に有限であるばかりでなく、ひとり当たりのメール受信量が増加することで、その枠を巡る競争は日増しに厳しくなっています。それを示すのが下記の文章です。
最初の実験で参加者がよく読んだニュースレターは 23% だった。2 年後の 2 回目はたったの 11% しかよく読まれていない。この落ち込みの割合はユーザたちが処理しなければいけないメールの増加をよく示している。
From:Jakob Nielsen博士のAlertbox
送信されるメールニュースレターの実に90%程度が、ユーザーに丁寧に目を通されることなく廃棄されていくのです。また、スパム分別技術によって、自動的に削除されるメールが増加していることもこれに拍車をかけます。
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流し読みに適したレイアウトは必須
そうした「一通あたりのメール処理にかける労力」の低下というトレンドを踏まえて必須となってくるのが、「流し読み」に適したレイアウトです。
ユーザ主体のメール処理方法とは、流し読みだ。2 回目の調査では、57%がそれにあたる。残りのニュースレターは、まったく読まれない( 22% )か、後で読むために保存( 10% )かだ。
From:Jakob Nielsen博士のAlertbox
ざっと眺めて主要なトピックを把握できなければ、60%程度のユーザーはそれ以上情報を探索しようとしないのです。
ポイントは、流し読みされる中にあって、どのように情報提供とブランド体験を両立させるかという点でしょう。もちろん、有益な情報を提供することが基礎であることは言うまでもありませんが、ビジュアルデザインも美しいものであってはじめて、ユーザーはその有益なメールを「ブランド」として体験しうるのです。
テキストメールでもHTMLメールでも流し読みしやすいレイアウトは可能ですが、当然HTMLメールの方がこの点で優位にあるのは間違いありません。
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トピックを厳選し、自社のメッセージとリンクさせること
できるだけ多くの購読者にアピールしようとしすぎるあまり、フォーカスの絞りきれていないメールになることも、ユーザー離反を招く危険性があります。
特定のシチュエーションを想定していない一般的な話題は、電子メールの特徴を考えると、適していない。~中略~ インターネットはマスメディアではない。ニュースレターは、なおさら、マスを相手にするのに向いていない。だが、対象を絞り込んだサービスでは、際立った効果を発揮する。
From:Jakob Nielsen博士のAlertbox
また、上で「流し読み」に適したレイアウトを、と述べられているように、レイアウト上の制約から考えても、トピック数が多すぎることの弊害は自明でしょう。
個々のユーザーにとって有益と思ってもらえるトピックを厳選し、それと自社が伝えたいメッセージとをきちんとリンクさせること。その「ユーザーベネフィットフォーカス」の考え方こそ、メールニューズレターの競争力を作り出す源泉だと、私たちは考えています。
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適切なベネフィットを提供できれば強固な関係を築ける
電子メールのニューズレターを紙のDMと比較した場合、ユーザーにとって
- 削除しやすい/環境への影響も少ない
- 保存しやすい/場所も取らない
- 再検索しやすい
という利点があり、ニールセンも下記のように述べています。
ニュースレターは数少ない、仮想世界のほうが現実世界よりも便利だとわかった部分だ。たとえば、ウェブサイトは現実世界のお店、サービス、コミュニティと比べて、一般的にユーザビリティに乏しく、好まれない。それとは対照的に、電子ニュースレターは非常に強いポジションについている。
From:Jakob Nielsen博士のAlertbox
ユーザーに「このメールは有益だ」と思ってもらうことができれば、目を通してもらう、クリックしてもらう、保存してもらう、検索してもらう、などの企業にとってメリットの大きい行動を引き出すことが出来ます。それらの行動は、ユーザーにとってもメリットの大きいものだからです。
当サイトでも繰り返し述べてきましたが、そうしてユーザーとメールを通じたWin-Winの関係を築くことが出来てはじめて、メールがそのユーザーと自社とのコミュニケーションチャネルとして確立したと言えるのではないでしょうか?
Posted by 田中 隆行 at 2004年02月24日 15:33
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